通読しました。前から気になっていました。
 この本を手に取る前は,私は,この本について,証拠方法から間接事実を認定し間接事実から主要事実を認定するプロセスについて書いてある本かと思っていたのですが,読んでみると実際は,その大部分が,当該事件で問題となった具体的な規範的要件について,どのような評価根拠事実・評価障害事実がどのように評価されるかについての話でした。
 そういうと通読に向いていない本のようにも思えますが,読んでみると,出てくる規範的要件の多くが街弁の実務にも頻出する要件だったので,日々の実務に即役立つ能力が補強されたという感じがします。民法の復習にもなりました。
 街弁や判事補の1年目の方に特におすすめです。最近は若手弁護士に向けた,実務を疑似体験する「セルフOJT」の本なんかもよく出ていますが(なんか,特定のシリーズ本を名指しするに近い書き方になってしまった気がしますが,あのシリーズもとても良いもので,おすすめです。),そういう本を読んでいる時よりも「セルフOJTをしている!!」という気持ちになりました。
 司法修習生にはあまりおすすめしません。実務に出てからの方が興味を持って読めると思います。
 ちなみに,この業界の本によくあることですが,50選といいつつ53の裁判例について検討されています。53選と書けばいいのに……。


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